こんにちは。
1月末から新型コロナウィルスが話題になっています。
日本でも感染者が増えている状況で、2020年2月18日午後8時時点の日本国内での感染者数は615人となっています。
(「朝日新聞デジタル」より https://www.asahi.com/articles/ASN2L3QJMN2LUEHF002.html))
このような事態になってしまっているのは、言うまでもなく政府の後手後手の感染症対策が大きな原因の一つだといえるでしょう。
感染症の専門家から見たダイヤモンド・プリンセスの中の状況はあまりにも悲惨で「心の底から怖いと思いました」と語っています。
今回は、あまりにも杜撰(ずさん)すぎる感染対策のもと、コロナウイルスが拡散されてしまっている「ダイヤモンド・プリンセス」の中の状況について、岩田健太郎医師(神戸大学医学研究科感染症内科教授)の動画で語っておられる言葉を引用して紹介したいと思います。
ダイヤモンド・プリンセス内の悲惨すぎる感染対策状況・問題点
岩田医師は、エボラ出血熱の感染がアフリカで拡大している真っただ中や、SARSが蔓延していた当時の中国で感染対策に当たっていた医師の一人です。
エボラでもSARSでも、感染しない方法や感染拡大させない方法を熟知しているから、アフリカにいても中国にいても、自分が感染する恐怖はなかったのだそう。
しかし、今回、ダイヤモンド・プリンセスの中では、心の底から「怖い」と思った、という。
岩田医師:
「これはもう、COVID-19(新型コロナウィルス)、感染してもしょうがないんじゃないかと、本気で思いました。」
グリーンゾーンとレッドゾーンがぐちゃぐちゃになっている
本来ならば、ウィルスがいる危険地帯「レッドゾーン」、ウィルスがいない安全地帯「グリーンゾーン」というのをきっちり分け、そして、レッドゾーンでは「PT」という防護服を着用して、グリーンゾーンでは何もしなくてよい、といったように危険エリアと安全エリアを分離してウィルスから身を護る、というのは我々の世界の鉄則です。
ところが、ダイヤモンド・プリンセスの中は、グリーンもレッドもぐちゃぐちゃになっていて、どこが危険でどこが安全か全く区別がつかない状態になっています。
この手すりや壁、絨毯(じゅうたん)にはウィルスが付着しているのか、さっぱりわからない状態。
感染者と非感染者が普通に接触できる
熱のある方が自分の部屋から歩いて出て行って医務室に向かっている、というのが通常で行われている。
医療従事者が自らの感染を覚悟している
中の方々(DMAT、検疫官など)に話を聞くと、「これは、我々も感染するな、と思ってますよ」と言っていてびっくりした。
なぜなら、我々が感染対策のミッションに出るときは、必ず、自分たち(医療従事者)の身を護ることが大前提で、自分たちの感染のリスクをほったらかしにして、患者さんや一般の方々に立ち向かうというのは「ご法度(ルール違反)」なわけです。
環境感染学会や、FETP(国立感染症研究所の実地疫学専門家養成コース)が数日で出ていった、という話をきいて、「なんでだろう?」と思っていて、中の人に聞いてみると「感染するのが怖かったんじゃない?」と言っていた。
その気持ちはとてもよく分かります。
なぜなら、感染症のプロだったらあんな環境にいたらものすごく怖くてしょうがないからです。
自らの安全を保障できない時に他の方の安全は護れない。
我々的には超非常識なことを平気で皆さんやってて、それについて何も思っていない。
そもそも、常駐している感染症のプロの方がいない。
居ることは居るが、彼らも「やばいな」とは思っているけど、何も進言できない、進言しても聞いてもらえない。
やってるのは厚労省の官僚たちで、私も厚労省のトップの人と相談しましたけど、ものすごく嫌な顔をされて、聞く耳持つ気がない。
DMATの方々に「夕方のカンファレンスで何か提言申し上げてもよろしいですか?」と聞いて了承はもらっていたんですが、突如として夕方5時ぐらいに電話がかかってきて、「検疫の許可を取り消す」と言われて船から出ていくしかなかった。
「でも僕が出ていくと、感染対策するプロが一人もいなくなっちゃいますけど構わないんですか?
このままだと、もっと何百人と感染者が出てしまいます。
DMATの方々も感染のリスクにさらされています。
DMATの仕事が終わるとそれぞれの病院に帰って仕事をする。
そしたら、そこから院内感染をして広がってしまいかねない。」
と言ったんですが、結局出ていくしかなかった。
エボラ、SARSの方がましだった
アフリカや中国に比べて、全然ひどい感染対策をしてる。
日本にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が無いとはいえ、まさかここまでひどいとは思ってなくて、専門家が入って専門家が責任を取ってリーダーシップを取って感染対策のルールを決めてやっているのだろうと思っていたんですが、全くそんなことはなかった。
==引用終わり==
感染症のプロの方にこのように断言していただいて、今の政府の対応が如何に杜撰なのかがよく分かります。
コロナウイルスの感染拡大は明らかな「人災」だといえるのではないでしょうか。
- 感染症の専門家を常駐させていなかったこと
- 常駐ではないにしろ感染症の専門家がいたにも関わらず彼らの提言を無視し続けたこと
- 感染症の専門家である岩田医師を1日で船から追い出したこと
ウォールストリートジャーナルもクルーズ船の隔離が失敗したことを報じています。
クルーズ船内隔離は失敗、乗客の米国人医師語る
~ダイヤモンド・プリンセス号、「感染させるために培養用シャーレに入れたようなもの」~
https://jp.wsj.com/articles/SB12291155354026644516304586211600525154990
岩田医師を1日でクルーズ船から追い出したのは誰か?
動画冒頭で岩田医師がダイヤモンド・プリンセスに入って感染対策をするために入ろうと打診していた際の厚労省との奇妙なやり取りを語っています。
- 誰とは言えないけど岩田医師がダイヤモンド・プリンセス入ることに非常に反対している人がいる
- DMATの下で「感染対策の専門家」ではなく「DMATの一員」としてなら入っても良いと言われた
これは厚生労働省の橋本岳副大臣の可能性が高いです。
また、岩田医師が動画で「突如として夕方5時ぐらいに電話がかかってきて、「検疫の許可を取り消す」と言われて出ていくしかなかった。」と語っている検疫の許可を取り消したのもおそらく橋本岳厚労省副大臣ではないかと思われます。
橋本岳副大臣ではないにしても、感染症の専門家を中に入れたくない「誰か」が明らかに圧力をかけています。
クルーズ船に入ったのは2020年2月18日。
そして、今日、2020年2月19日は乗客をダイヤモンド・プリンセスを上陸させ、乗客を降ろし始める約束の日。
この約束の日を先延ばしにしたくないという意図があったのではないでしょうか。
また、東京オリンピックを開催する日本の安全性を世界にアピールしたかった狙いがあったのかもしれません。
結果的に逆効果になっているのは言うまでもありませんが。
何にせよ、非常に杜撰な環境で隔離され、(ウォールストリートジャーナルの言葉を借りるなら)感染させるために培養用シャーレに入れられ感染が拡大されたクルーズ船内にいた乗客たちが今日、2020年2月19日に船から降りてきます。
もちろん、その乗客たちも感染を拡大したくないと思っています。
ある乗客は「不安だから自分たちで再検査しに行く」と言っていました。
しかし、その道中で他の人に接触することは十分あり得ます。
コロナウイルスの感染拡大の終息はいつになるのでしょうか。
関連リンク
●池田晴彦氏のTwitterより
●気になるアレコレ屋 より
https://zatta-zakki555.com/2020/02/19/haien-27/
●ウォールストリートジャーナル より
https://jp.wsj.com/articles/SB12291155354026644516304586211600525154990
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